共有名義で購入する際の注意点

不動産を購入する際、夫婦や親子、兄弟など複数人で共有名義にするケースがあります。共有名義にはメリットもありますが、事前に注意すべきポイントも多いため、以下の点を確認しましょう。
1. 共有名義のメリット
- 住宅ローンの借入額を増やせる
- 夫婦や親子で収入を合算し、より高額なローンを組める。
- 贈与税を抑えられる
- 資金を出し合うことで、一方からの贈与とみなされるリスクを軽減。
- 相続対策として活用できる
- 親子間で共有にすることで、相続時の財産分割がスムーズになる場合がある。
2. 共有名義のデメリットと注意点
(1) 売却時の意思決定が複雑
共有名義の場合、物件を売却する際にはすべての共有者の同意が必要です。一人でも反対すると売却が難しくなります。
(2) 住宅ローンの返済リスク
夫婦で住宅ローンを組む「ペアローン」や「連帯債務」では、どちらかが返済できなくなった場合、もう一方が全額を支払う責任を負う可能性があります。
(3) 共有持分のトラブル
購入時に出資割合に応じた「持分割合」を決めますが、将来的にどちらかが持分を売却・放棄する際にトラブルになることがあります。
(4) 相続時の問題
共有者の一人が亡くなった場合、その持分は相続の対象となります。相続人が複数いると持分が細分化され、将来的に処分が困難になる可能性があります。
3. 共有名義で購入する際の対策
- 契約前に持分割合を明確にする
- 出資額に応じた適切な持分を設定し、登記時に明記する。
- 住宅ローンの契約内容を慎重に検討
- 連帯債務・ペアローン・連帯保証の違いを理解し、無理のない返済計画を立てる。
- 将来の売却・持分変更の取り決めを事前に相談
- 事前に合意書を作成し、売却時のルールや持分譲渡の方法を明確にしておく。
- 相続対策を考えておく
- 遺言書を作成する、または持分を整理しておくことで相続トラブルを防ぐ。
まとめ
共有名義での不動産購入は、住宅ローンの借入枠を増やせるメリットがある一方、売却時の意思決定や相続時の問題など注意点も多くあります。事前にリスクを把握し、適切な対策を講じることで、後々のトラブルを防ぐことができます。