予算ギリギリで家を買うのは危険!本当にかかる住宅費用とは?
家を建てる、マンションを買う、中古戸建てを購入する——どの選択肢でも、多くの人が「予算ギリギリまで使って、できるだけ良い家を手に入れたい」と考えがちです。しかし、それは危険な判断です。なぜなら、住宅にかかる費用は「購入価格」だけではなく、長期的に発生するさまざまなコストを考慮しなければならないからです。
1. 住宅購入後にかかる「見えないコスト」とは?
(1) メンテナンス費用
新築でも中古でも、家は年月とともに劣化します。定期的な修繕やリフォームが必要になり、その費用は決して小さくありません。外壁や屋根の塗装、給湯器の交換、水回りのリフォームなど、長期的に維持するためのコストがかかります。
(2) 固定資産税・都市計画税
住宅を所有している限り、毎年固定資産税や都市計画税を支払う必要があります。特に土地や建物の評価額が高いほど税額も高くなります。
(3) 管理費・修繕積立金(マンションの場合)
マンションでは管理費や修繕積立金が毎月かかります。築年数が経つと、修繕積立金が値上がりすることも珍しくありません。
(4) ローンの金利負担
変動金利の場合、市場の金利が上昇すると月々の返済額が増えるリスクがあります。長期的な金利変動も考慮しておくべきです。
(5) 引っ越し・家具・家電の購入費
新居に引っ越す際には、家具や家電の購入、カーテンや照明の取り付けなど、意外と多くの出費が発生します。
2. 予算ギリギリで購入すると何が起こるのか?
(1) 突発的な出費に対応できない
急な修繕や家電の買い替えが必要になったとき、貯金がなければ対応できません。その結果、生活費が圧迫されることに。
(2) 住宅ローン返済が苦しくなる
「毎月なんとか返せる」と思っていても、収入が減るリスクや支出が増える可能性もあります。ボーナス払いを設定している場合、ボーナスが減ったら返済が厳しくなることも。
(3) ライフイベントに対応できなくなる
結婚、子どもの誕生、教育費の増加、親の介護など、将来的に大きな出費が発生する可能性があります。住宅にお金を使いすぎると、こうしたライフイベントに柔軟に対応できなくなります。
3. 賢い住宅購入のためのポイント
(1) 住宅ローンは「無理なく返せる額」に抑える
銀行が貸してくれる金額ではなく、自分の生活に無理のない金額で借りることが大切です。
(2) 購入後のコストを計算する
購入時だけでなく、10年後・20年後に必要なメンテナンス費用や税金も含めて資金計画を立てましょう。
(3) 余裕のある貯蓄を確保する
最低でも「半年分の生活費+想定される修繕費」を確保しておくと安心です。
(4) 住宅購入のプロに相談する
不動産会社やファイナンシャルプランナーに相談し、自分に合った購入計画を立てましょう。
まとめ
住宅の購入価格だけを見て「買えるギリギリの額」で家を買うと、将来的に思わぬ出費に苦しむことになります。メンテナンス費用、税金、ローンの金利変動など、長期的なコストを考慮し、余裕を持った資金計画を立てることが大切です。
物価上昇や金利の見通しも含めると、購入価格の半分ほどを追加で見込んでおくのが安心です。「今の予算で買える最高の家」ではなく、「将来も安心して住み続けられる家」を選ぶことが、後悔しない住宅購入のポイントです。